2005年03月07日

RFID、ICカード、無線タグ等々の用語をしっかり区別しましょう

ちょっと書くのが遅くなってしまいましたが、3月3日(木)、有明ビッグサイトで開催されていた「IC Card World」に行ってきました。
お目当てはは「ICタグのセキュリティとプライバシーを議論する」というパネル。
しっかりとした問題意識の元にセキュリティ関連のリサーチをしているということでは日本の第一人者と言える高木浩光さん(左の「お気に入りblog」にもリストしてます)も出席されることから、これはどうしても押さえておかなければと思ってました。

このパネルの中でもイッシューとして上がってたんですが、今、RFID(無線識別)関係テクノロジーの用語は結構混乱してますよね。
RFIDと言った時にICタグのことを指すときもあれば、(非接触型)ICカードのことを指すこともあります。
実際、このパネルも”IC Card World"の一プログラムでありながら、ICタグの話をしてますし

ここで整理してみると、
RFID(無線識別): 無線でID情報のやり取りを行うテクノロジーの総称(ICタグ、ICカード以外にも、飛行機の機体認識システムなんかもRFIDに含まれるようです)。
RFIDタグ、無線タグ、ICタグ、スマートタグ: RFIDテクノロジーを物品につけるタグに応用したもの。
(非接触型)ICカード、スマートカード、RFIDカード: RFIDテクノロジーを人が持ち運ぶカードに応用したもの。

ICタグとICカードは無線でID情報のやり取りをするという点では同じなんですが、結構本質的な違いがあります。
ICタグは多くの物につけて使う以上コストをできるだけ下げる必要があります(METI主導の響プロジェクトでは5円のタグを目指してます)。
一方、ICカードの方は200円くらいのコストでも許容範囲なので、その分、セキュリティに力を入れることができます。
いわゆるチャレンジ-レスポンスという仕組みで、サーバ側からあるコード(チャレンジ)を送って、ICカード側で計算を行ってレスポンスを返して、サーバ側があらかじめ想定しておいた答えと一致すればICカードが正当なものであると認識するわけです。
重要なのはチャレンジは毎回異なりますから、仮に、サーバとICカードのやり取りを盗聴されていても問題はないということです。
一方、ICタグの方にはこういう仕組みはないわけです(少なくとも今のところはコスト的に無理)。

ところが、ICタグとICカードの用語の混同をひとつの理由として、本来、物につけてつかうべき、ICタグ技術を人の識別に使おうという考え方(たとえば、子供にICタグを付けて位置管理する等々)が出てきて、これはめちゃくちゃ危険であるというのが高木さんの主張です。
確かに、1回でも無線でのやり取りを傍受されてしまえば簡単になりすましが可能になってしまいますね。
これは、高木さんのおっしゃるとおりで、問題は単なる用語の混乱というもの以上になっていると思います。

新しいテクノロジーが出てくると、用語が微妙に混乱して、結果的により大きな問題が生じてくるというのはよくある話で、RFIDにおいてもタグ系の話とカード系の話は言葉としても応用としてもしっかりわけて考えることが重要でしょう。

投稿者 kurikiyo : 15:57 | コメント (2)

2005年02月18日

二次元バーコード付チョコ

参考記事

ホワイトチョコの表面にQRコード(二次元バーコード)を印刷する技術の紹介。
おもしろいこと考える人がいるもんですね。やはり特許は出願しているのでしょうか?
(最近こういうことばかり考えるようになってしまいました)。

ユビキタス時代にはあらゆる物にIDがつけられるという話になると、必ず無線タグの話になりますが、二次元バーコードでも十分対応できるケースが多いはずです。
今日本でやられている無線タグの実証実験でも、実は二次元バーコードで対応可能なケースが結構多いと見ています。
外国でも薬品のトレーサビリティ実験を無線タグで始めてみたけど、コストの問題から、結局、バーコードでやることにしたケースがあると聞いてます。
トレーサビリティを実現しようと思うと、品番だけではなくて、その物固有のシリアル番号もつける必要があるので従来型のバーコードだと桁数が足りないこともありますが、二次元バーコードなら十分対応できますし。

投稿者 kurikiyo : 03:43 | コメント (0)

2004年12月12日

無線タグとアプリケーションアーキテクチャ

今、ITの世界で最大の"Next Big Thing"と言えば、やはり無線タグ
(RFID)でしょう。

当然、自分も無線タグ系のサイトは巡回リストに加えて、コンスタントに
ウォッチしています。

この種の新しい動きがある時に典型的に見られる現象ですが、多くの
人が各論だけを語っていて、なかなかビッグ・ピクチャーで語る人が
少ないという風に見えます。

無線タグに関して言うと、タグやリーダー等の要素技術や特定の閉じた
環境でのアプリケーションについての情報は豊富にあるのですが、
このテクノロジーをグローバルなサプライチェーンに取り込んで行くためには
何をしなければいけないかという議論は非常に少ないと思います。

少なくとも無線タグの普及がエンタープライズ・アプリケーション
アーキテクチャに大きな影響を与えていくのは確実でしょう。

今までのアプリケーションのように、「さあ、これから出荷データを入力
しますよ」とメニューを選択してから、データを入力するという構造は
無線タグに適していません。無線タグの場合は、いつ何時でもイベント
(たとえば、出庫)が発生し得るからです。

つまり、アプリケーションの構造も、固定的なメニューに基づくものではなく、
いつ何時でも発生しえるイベントを処理できるものとならなければなりません。
いわゆるEDA(イベント・ドリブン・アーキテクチャ)、CEP(コンプレックス・イベント
プロセッシング)という概念が必要になってきます。

これは口で言うほど簡単なことではありません。たとえば、荷物がある倉庫から
出庫されて、一定時間以内に別の倉庫に移されたならば、これは倉庫間の移動
というイベントとして処理すべきです。ところが、一定時間内に別の倉庫に入った
というイベントが発生しない場合は、これは出荷されたのかもしれませんし、
ひょっとすると盗まれたのかもしれません。または、労働者が、フォークリフトを
ほっぽらかしにして昼飯を食べに行ったのかもしれません。

この辺の複雑な判断をアプリケーションとしてどうするかは大きな課題と言える
でしょう。

無線タグの真の価値を得るためには、エンタープライズ・アプリケーション
アーキテクチャの全面的な見直しが、(今すぐにではないにせよ)いつかは
必要となると考えています。

無線タグのテクノロジーで先行者利益を得たいという企業(ユーザー、ベンダー問わず)
今からアプリケーション・アーキテクチャに注目しておくべきでしょう。

投稿者 kurikiyo : 12:31 | コメント (0)