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2005年06月11日

特許制度は良い方向に向かっているのか

松下vsジャストの時にもさんざん書いたように、現行の特許制度がITの時代に合わなくなっているのは確かです。
特にソフトウェア特許関連はいろいろと問題が多いところです。
とは言え、ソフトウェア特許なんてやめちゃえというのは暴論に近いと個人的には思っていて、如何にして特許制度の枠組みの中で制度や運用を時代に適合できるように変えていくかを考えるべきだと思ってます。

で、当然ながら、やや遅きに逸したとは言え、特許制度の改正の動きがいろいろと進んでます。

米国のケースですと、
1.異議申立制度の採用
2.先発明主義から先願主義への移行
あたりが進行中のようです(参照記事)。

1.については、どう考えても特許に値しない発明が特許化されてしまった時は、権利行使の前に、裁判するまでもなく無効にする手段を設けようということで、当たり前のことですね。
2.については、世界中で先願主義(一番最初に出願した人を優先)を採用してないのは米国だけだったのでまあ当然の動きです。
先発明主義は一見公平に見えても、権利が確定した後で、「いやー実は同じ発明をオレが先にしてたんだよー」と言う人が後から出てきたりして、実務上は非常に問題が多かったのです。

また、日本では知的財産侵害の刑事罰の罰則の強化(5年以下の懲役→10年以下の懲役)が検討されています(参照記事)。
5年が10年になっても抑止力としてはそんなに変わらないかもしれませんが、まあ、窃盗罪と同等にしておくというのは意味があることだと思います。

また、ソフトウェア特許の乱用を抑えるための指針をMETIが策定予定です(参照記事)。
「一部の企業がソフト開発に不可欠な基盤技術の特許を独占し、他の企業の技術開発を不当に妨げることを防ぐ」ことを目的としているようで、ぜひこれは実現してもらいたいものです。
産業の発達を阻害しないことが担保されれば、ソフトウェア特許自体は決して悪ではないと思います。

投稿者 kurikiyo : 2005年06月11日 19:58

コメント

 ソフトウェアが「著作権」と「特許」の2つで守られているのはどうなんだろうと思っているのですが、そのあたりの兼ね合いはどうなんでしょうかね。
 日本では「特許」じゃなくて「実用新案」として保護したほうが良いんじゃないかと思っているのですけれど。内容的にもその程度のような気がしますし。


投稿者 asakura-t : 2005年06月11日 21:29

ソフトウェアが著作権と特許の両方で守られてるというのは、要するに米国の意向です。この辺のお話はいろんな文献に載ってます。
実用新案は、物の構造とか組み合わせ、要するに機械器具類を保護するための法律なので、ソフトウェアに適用するのはちょっと苦しい気がします。
個人的には、ソフトウェア特許の保護期間としては実用しなんと6年(ドッグイヤー換算42年)くらいがちょうど良いと思うのですが、条約(TRIPS協定)で、特許権の存続期間は最低20年と定められているので、これ以下とすることは現実的には非常に難しいでしょう。

投稿者 栗原 潔 : 2005年06月11日 22:13