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2005年05月29日

ユーザーインターフェースにおける常識とは?

近所のVodafone Shopでノキアの702NKが新規ゼロ円で売ってたので買ってしまいました。
念のため言っておくと702NKはノキアのグローバルモデルであるNokia 6630をほぼそのまま日本語化した製品で、かなり操作性に癖があると言われてますが、Outlookとの同期機能は非常に魅力的だったので購入に踏み切ったわけです。

さて、操作性ですが、覚悟はしていたもののやはり結構わかりにくいです。
たとえば、キーの操作確認音の消し方ですが、普通の日本の携帯であれば、「音設定」とかいうメニュー項目があってそこで設定できると考えますけど、いくら探してもそういう項目はないんですね。
マニュアルも英文版の直訳のようで非常に不親切で、どこに何が書いてあるかわかっている人でないとどこに何が書いてあるかわからないという構成です。
結局、「702NK 動作確認音 消し方」でgoogleサーチしてわかったのは、ツール→モード→通常モード→カスタマイズとメニューをたどると「キー操作確認音」の設定ができるということでした。
要するにキー確認音は通常モードとかマナーモードとかの各モードに従属しているプロパティであることを前提としたメニュー構成法ですね(これにより、通常モードは確認音なし、外出モードは確認音ありというようにモード別に確認音の設定ができるので便利と言えば便利です)。
言われてしまえばなんてことないんですが、言われるまではわからないユーザーインターフェースです。

これで思い出したのが、愛読しているblogたけくまメモのエントリー「iPod mini 使いづれえ!!」。
iPodほど自然なユーザーインターフェースはないと思うのですが、なんと竹熊先生はクリックホイールの基本操作である指でホイールをさすって回すように動かすというやり方がわからなくて悩んでいたということです。
竹熊先生は自分で何台もPCを自作してますから別にメカ音痴というわけではないですよ。
どうやら、クリックホイールの使い方はマニュアルには書いてなくて、いきなり「クリックホイールを使ってボリュームを調整します」としか書いてないらしいんですね。
「『ホイール』と名前がついていれば、英語圏の人はなんか回すものであることは自明なのであえて書かないのでは?」とコメントで分析している人もいました。

さらに思い出したのが20年ほど前の話なんですけど、国鉄で切符を買うときに用紙に禁煙と喫煙の項目があったので(当時外資系会社に勤めていた)自分は禁煙席を取るために何の疑いもなく禁煙の前にチェックマークを入れて提出したら喫煙席がとられてしまったことがありました。
「あの禁煙席希望と書いたんですけど」と言うと、窓口の人は何の疑いもなく「だってあなた禁煙にバツつけたじゃないですか」と言ったのでした。
今ではGUIも普及してますから、アメリカ流に項目の選択はチェック・マークかバッテンで何の誤解も生じないですが、当時の日本では項目の選択は項目の前に丸を付けるのが常識だったわけです。

テクノロジーのグローバル化が進んでいろんなカルチャーの人が同じ製品を使うようになると、とこういう作り手は当然と思っていても使う側にとってはそうではないというユーザーインターフェース上の問題がますます増えてくるんじゃないでしょうか?

投稿者 kurikiyo : 2005年05月29日 23:35

コメント

 文化圏が異なるところへ製品を輸出する場合は、その文化圏のパイロットユーザーに事前に評価してもらう必要がありそうですね。ハードウェアの仕様をマルチ対応するのはコスト上難しいと思いますが、ソフトウェア上で有る程度カバーできるとは思いますね。例えば、携帯の例だと、欧米用モードと日本用モードと切り替え、表示言語を変えるだけでなく、操作体系も変えると言った工夫が必要になってきますね。興味深い話です。

投稿者 besus : 2005年05月30日 05:47

このような文化の違いは国内でも良くありますね。学術分野、業界の違いなどなど。

しばらく前まで、印刷業界に席を置いていましたが、電算写植機のユーザインターフェースに悩まされました。

活字時代には、斜めに置かれた活字のケースに、印刷所ごとに独特の規則で整理された大量の活字が収められており、そこから活字を探す文選と呼ばれる専門の職人がいました。

すると、機材が世代交代して電算写植機となっても、大量の文字が一面に並べられた、各メーカー独自配列のキーボード/タブレットが一般的になったのです。これは決してメーカーの独断ではなく、多くの組版工が望んでいたようなのです。

実は本体がUnix WSだったりするので、いろいろと応用しようとするのですが、クセのあるソフトと追加の独自ハードでなかなか上手くいかないのでした。

現在では、さすがにWindowsマシンになってしまいましたので、標準的なPCに専用アプリ、標準的なPostScriptのセッタとなりました。

投稿者 nmaeda : 2005年05月30日 15:38

ユーザーインターフェースの作り手側が「このインターフェースが最高」と思考停止してしまうのでなくて、常に、「これで使いにくい人はいないのか?理解できない人はいないのか?」と問いかけることが必要なんじゃないかと思います。
ユニバーサルデザイン等にもかかわってくる問題だと思います。

投稿者 栗原 潔 : 2005年05月31日 10:50

 最初のiPodって、実際にホイールが回ったのでわかりやすかったんです。いきなり今のモデルを渡されたら、やっぱり悩んじゃいますよ。

投稿者 秋山 : 2005年05月31日 15:51

自分は第3世代のiPodが最初だったんですけど、ぜんぜん悩まなかったですね。再生、早送り等のボタン類が上にあって、ホイールはホイールの機能しかなかったからだと思います。
第4世代からボタン類とホイールが一緒になったのでややこしくなったのではないでしょうか?ホイールに矢印の絵でも描いてあれば、まだわかりやすいのでしょうけど、アップルの工業デザイナーとしてはそういう風にはできなかったんでしょうね。

投稿者 栗原 潔 : 2005年05月31日 16:04

「ダブルクリック」と聞いてマウスの左ボタンと右ボタンを両方押したという人がいましたし、[Any]というキーを探した云々という話は枚挙にいとまがないですが、ユーザーインターフェースに重要なのは、とっかかりだけではないですよね。
HPの逆ポーランド電卓とか、説明を読まずに使える人はほとんどいなかったと思いますが、便利なインターフェースでした。使用頻度にもよりますが、手になじむ(?)ユーザーインターフェースかどうかが重要なのでしょう。私はiPodにはなじめませんでしたが。

投稿者 anonymous : 2005年06月01日 21:41

自分はGSM圏で携帯電話を始めたので、ノキアのUI以外は極めて使いにくいと感じています。ノキアやエリクソンのUIは、北欧の感性でデザインされているだけあって、直感的で判りやすかったのです。でも最近は、機能が増えるにしたがってメニューの階層が増えて、細かい機能設定は分りづらいものもあります。また、ノキアでもスマートフォン系のGUIには辟易しています。UIとはまさに文化そのものなのですね。

投稿者 bobby : 2005年06月02日 12:46

このblogのログを確認したら、「702NK 動作確認音 消し方」をキーワードでサーチエンジンから入ってきてる人が何人かいました。みんな悩んでいるようです ^_^;

投稿者 栗原 潔 : 2005年06月04日 11:00