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2005年05月17日
「企業コンピューティングの終焉」:著者Nick Carrは一級釣り師認定
MIT Sloan Management Review2005年春号に載った"End of Corporate Computing"という記事に関する記事(『「IT Doesn't Matter」の編集者、今度は「企業コンピューティングの終焉」を予言』)。
MIT Sloan Management Reviewは今は購読してないので、単発記事をネットで買おうかと思って、同誌のサイトに行って見ましたが、梗概を読んで買う気がなくなりました。
仮想化、グリッド、Webサービスというテクノロジーの進化により、情報システムは企業が維持する資産ではなく、外部のプロバイダーからサービスとして購入されるようになるというようなことが書いてあるようで、要するにどのITベンダーの宣伝パンフレットにも書いてあるような話のようです。
もちろん、こういう話は間違ってはいないですし、メガトレンドとしては確実に進行していくでしょう。
だけど、これは、たとえて言えば、昔聞かれたような「交通と通信技術の発展で地域格差がなくなり東京の一極集中はなくなる」みたいな単純化されすぎた主張だと思います。
確かに、地方の活性化の事例はありますし、長期的に見ればこの主張は正しいのでしょうが、実際には東京への集中は逆に加速してますよね。
ITのサービスプロバイダー化(ユーティリティ化)にしても、たとえばメールやWebホスティング等の分野では進んでますが、企業の基幹業務分野については自前主義で行こうという逆の動きすら見られます。
IBMとのアウトソーシング契約を打ち切ったJPモルガンチェースのケースもありますし、ITにおいては最先端のウォルマートやAmazon.comは完全自前主義です。
よく巡回しているR30::マーケティング社会時評のエントリー「企業の情報システムも安くてヘボい方が勝ち」で、この記事を引き合いに出して、独自データベースシステムなんか作らないで全部メールでやってしまえばよいのではみたいな主張がされてますが、確かに、出版とか広告代理店とかコンサルティングとかの業種だとそれで何とかなってしまうかもしれませんが、流通、金融、通信のように日々大量のトランザクションが発生する業種は全部メールでというわけにはいかんのですよ。
確かに使いもしない機能に金をかけすぎるのは問題ですが、「安くてヘボい方が勝ち」というのはちょっと極論では思います。
で、元記事の話に戻るのですが、この著者のNicholas Carr氏、"IT Doesn't Matter"の時も「間違ってはいないけれど単純化されすぎた極論」を述べて世間を騒がせる(で、自分の本や講演を売る)のが目的で書いてるような気がします。
2ちゃんねる用語でいう釣り師というやつですね。
まあ、自分も"IT Doesn't Matter"の時は自分の講演のネタにも使わせてもらったので、あまり批判もできませんが ^_^;
投稿者 kurikiyo : 2005年05月17日 12:00
コメント
浅学非才なものでR30さんがどういう情報システムを前提としているのか良くわからないのですが、企業での会計、在庫管理に対しては彼の主張は全く的外れではないかと感じます。
投稿者 ダンコース : 2005年05月19日 22:46