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2005年04月04日

プロセッサアーキテクチャの世界に風は吹いているのか?

以前のエントリーで書いたAzul社のVEGAですが、やはり自社開発の独自アーキテクチャのプロセッサのようです。

どの市場でもそうですが、プロセッサ市場は時の経過と共に寡占化が進んでいく傾向が強いです。
エンタープライズ向けの世界で言えば、Intel、SPARC、Power、そしてIBMメインフレームくらいしか選択肢がなくなってきました(組み込み系はまた別の話です)。

プロセッサは、
1.上位のソフトウェアが蓄積していったんエコシステムができてしまうとそれを突き崩すのは困難
2.設計・開発・製造には莫大な投資が必要なので小規模企業が既存勢力を打ち崩すのは困難
という特徴があるので、強いものがますます強くなっていくと言う傾向があるわけです。

最近の例ですと、Transmetaがプロセッサ製造事業から実質上撤退してしまいました。
インテルとのバイナリ互換により上記の1の問題は回避できても、2の問題は如何ともしがたかったということでしょう。

しかし、テクノロジー環境の激変という一陣の風が吹き、市場構造が変わってしまうこともあります。
1990年ころに起きたRISCテクノロジーの台頭はその例でしょう。
当時のVLSIテクノロジーによるプロセッサの1チップ化は複雑な命令セットよりも、1サイクルで実行可能でかつコンパイラの最適化もしやすいシンプルな命令セットに圧倒的に有利に働きました。
その結果として、当時主流であったVAXやMotorola 68000系等々のエレガントな命令セットを持ったプロセッサ・アーキテクチャが死に追いやられました(Intelは命令セットが貧弱だったことが逆に幸いして生き延びることができました)。

今、15年前のRISC革命の時と同じような風は吹いているのでしょうか?
1.JVMや.NET CLPのように、バイナリ依存でないアプリケーション実行環境が整いつつある
2.ネットワーク・エッジ部分ではシングルスレッドのパフォーマンスよりも並列度向上によるスループットの方が重要になっている
3.製造プロセスの向上によりクロック数を上げて性能を出すという方向性が発熱の問題により厳しくなってきている
4.Itaniumのように、シングルスレッドの並列性を向上するアプローチは限界があることが見えてきた
などを考え見ると、結構強風が吹いているような気もします。

VEGAのように、シングルスレッドの性能はそこそこにして発熱を抑え、マルチコアによる並列性を追求する、JVM専用にしてバイナリ互換は捨てるというのは結構うまく風に乗ったアプローチではと思います。

ただ、Intelもバカではないので上記の風きはわかっているはずです。
そして、自社テクノロジーを活用して同じようなソリューションを出してくる可能性は十分にあるはずです。
TransmetaがIntelに勝てなかったことからもわかるように、既存勢力に勝つためには「より優れている」だけではダメで「飛躍的に優れている」だけの差異化が必要でしょう。

Azulはどのくらい差異化できるのか?めちゃくちゃ興味わいてきました。

投稿者 kurikiyo : 2005年04月04日 16:38

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