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2005年03月31日

結局は労働市場の流動性か

欧米でうまくいったパラダイムを日本に適用してもうまくいかないケースの根をたどっていくと、結局、日本の労働市場の流動性の欠如に行き着くことが多いと思います。
典型的ケースが、富士通で壊滅的に失敗した成果主義でしょう。
成果主義の前提は、自分が不本意な評価を着けられたらいつでもより良い条件の会社に移れるということでしょう(逆に移りたくても移れない人は低い評価が相当だったということになります。)
上司としても優秀な部下に退社されてしまっては自分自身の評価が悪くなってしまいますので、結果的に会社が本当に必要としている人には良い評価をすることになります。
まあ、問題皆無とは言いませんが、それなりの公平性は保てると思います。
日本のように大企業にいったん就職してしまうとそう簡単に転職できない環境では、ワーカーとしては悪い評価に対する対抗策が実質的に取れないですから、結局、多くの人が上司にこびへつらってでも高い評価を得ようとして、会社の雰囲気がどんどん悪くなるという最悪の結果になってしまいます。

日経エレクトロニクス誌のサイトTech-On!のブログでも、携帯機器のベンチャーをやるのに、日本では組み込み系の開発者が雇えない(大企業が囲い込んでいる)のでシリコンバレーで起業せざるを得ないという話が載っていました。

この労働市場の流動性という点で、さらに思い出したのが、Topcoder.comというアメリカのサイトです。
このサイトは定期的にアルゴリズムやソフトウェア設計のお題を出題してます。
そして、世界各国のプログラマーがその回答となるプログラムを送ってきます。
で、そのプログラムの出来によってプログラマーのランキングをつけて公開しているわけです。
米国だけではなく、ポーランドや中国などのプログラマーも腕を競っているネットならではの世界です。
#自分も二十代のころだったらチャレンジしたかったです。ちょっと早く生まれすぎたかな。

国別のランキングもあるのですが、日本は31位とさびしい状況です。
もちろん言葉の問題もあるのでしょうが、やはり、ここでも労働市場の流動性が関係するでしょう。
Topcoderにプログラムを送ってくる人たちは知的興味でやっているということもあるのでしょうが、就職・転職を有利にするためという点が大きいようです(実際、TopCoderも企業に対して優秀なプログラマーをリクルートすることをビジネスモデルの要にしているようです)。
一方、転職を続けることでプログラミングのプロとしてキャリアアップしていくと言う可能性が低い社会では、ネット上でTopCoderと認められることの動機付けも小さくなってしまいます。

ポーランドのプログラマーがネット経由でプログラミングの腕を示して、米国の会社に就職(ひょっとてして、ポーランドに滞在したままで仕事できるかもしれません)というのは何か夢のある話だと思いますが、こういう世界に日本だけが取り残されていくような気がしてしょうがありません。

投稿者 kurikiyo : 21:25 | コメント (1)

2005年03月30日

【速報】HPの新CEOにNCRのMark Hurd

HPの新CEOとして、NCRの現CEOであるMark Hurd氏が選任されたという記事

Mark Hurdさんは確か2回ほどインタビューしたことがありますが、セールス系出身らしい実直さを感じさせる人でFiorinaさんとは対照的だった印象があります(Fiorinaさんが実直でないということではないですが)。
個人的には、結構意外な人選でありました。
とは言え、今のHPに必要なのは派手に戦略を打ち出すタイプよりも調整型で現場指向のリーダーだと思うので、そういう意味ではうなずける人選であります。

投稿者 kurikiyo : 08:28 | コメント (0)

今さら(?)の新CPUアーキテクチャ

NAP(Network Attached Processor)というJVM実行専用のサーバに関する記事(元記事(無料のユーザー登録必要))

複数のアプリケーションをまたがって動的に割り当て利用できるCPUプールを作っておこうという発想自体は新しいものではなく、ブレードサーバ等でプロビジョニングと呼ばれる機能として実装されています。
この製品のユニークなところは、こういう動的CPUプールの実現のために、専用のCPUアーキテクチャ(仮称VEGA)を作ってしまったところ。
コア単体の性能は控えめの24コアのマルチコアアーキテクチャで、SunのNiagraなどの同等の設計思想ですね。
最初にSunからコア単体の性能を抑えたマルチコア、マルチスレッド・アーキテクチャ(いわゆるスループット・コンピューティング)の話を聞いたときはマイクロアーキテクチャ面で遅れているSun SPARCの苦肉の策かという印象を持っていましたが、どうもネットワーク・エッジ部分ではこういうアーキテクチャの方が価格性能比が良いなのは確かなようです(エッジの処理は本質的に並列性が高いですから)。

エンジニアとしての視点から見ると興味津々なのですが、アナリスト的な視点から見ると、今更新しいCPUアーキテクチャを一から作って大丈夫なのかというのが正直なところです。
Intel系のブレードサーバをプロビジョニングする場合と比較して本当にメリットがあるのでしょうか?
この製品の製造元であるAzul Systems社のWebサイトを見ると、SunでHigh Performance Computingや競合分析などの要職を歴任したShahin Kahn氏の名前があるので、テクノロジー的には健全だと思うのですが。要チェックではあります。

投稿者 kurikiyo : 00:28 | コメント (0)

2005年03月28日

MacやLinuxはウィルスに強いのだろうか?

「5度以下の海で泳いでいてサメに襲われた人はいない。だからサメに襲われたくない人は5度以下の海で泳げばよい」というジョーク(と言うか警句)を大昔に聞いたことがあります。
あえて説明するまでもないとは思いますが、そもそも5度以下の冷たい海で泳ぐ人はほとんどいないので、サメに襲われるケースもないということです。
統計の一見もっともらしい数字にだまされてはいけないという警句ですね。
#ところで、この話のネタ元ご存知の方がいたら教えてください。

一時期、Windowsはウィルス攻撃を受けやすいが、LinuxやMacは安全だという議論がされたことがありました。
まあ、もちろん、Windowsのセキュリティ設計自体がひどいという要素もあるでしょうが、やはりシェアが寡占状態にあるOSが狙われがちなのは当然であって、単純にLinuxやMacでのウィルス被害の件数が少ないのでこれらのOSはウィルスに本質的に強いと考えてしまうのもちょっと近視眼的だと思います。
実際、LinuxやMac OSのシェア増大に伴い、セキュリティ被害は増えています(参考記事)。
このblogではあまり政治的な話はしたくないのですが、東アジア圏でLinuxが急速に普及していることを考えると、特に日本の政府関係で使用されているLinuxシステムが、反日的ハッカーの標的になるリスクは高まっていると思います(念のために言っておきますが、アジア圏の人を批判しているのではないですよ、悪質ハッカーによるリスクを憂慮していいるのです)。
Windowsと比較してウィルスの被害が少ないということをLinux採用の理由としている企業もけっこうあるようですが、Linuxの普及に伴い必ずしもLinuxだから安全とは言えなくなる可能性はますます高くなっていくでしょう。

ところで、統計のもっともらしいデータにごまかされるなという点で言うと、某社が昔やったOSの満足度調査のことを思い出しました。
その調査でダントツのトップの評価を得たのはOpenVMSでした。
OpenVMSは確かに良いOSとは思いますが、これが最高のOSかといわれるとちょっと困ってしまいますね。
おそらく、OpenVMSにちょっとでも不満のある人は、既にUnixやWindowsに移行してしまっており、今でもOpenVMS使ってるのは筋金入りのVMSファンだけが残っていたからというのが理由だったのではと思っています。

投稿者 kurikiyo : 23:16 | コメント (0)

2005年03月24日

Sunの仮想敵国と言えば?

ZDNet(現ITMedia)に連載コラムを書いていたころは、Sunのネタがやたら多かったので「Sunびいき」とか「Sun Watcher」とか言われることがありました。
自分としてはまったくそういうつもりはないのですが、コラムを書く分にはSunはネタにしやすいんですね。
やはり、Scott Mcnealy氏を筆頭に、Sun経営陣は意図的に刺激的なことを言う人が多いのが理由です。

少し前までは、Mcnealy氏は自社の戦略の正当性を主張する場合に、Microsoftを仮想敵国として使うことが多かったのはご存知と思います。
「これは、SunとMicrosoftの戦いではない人民とMicrosoftの戦いだ("people vs Microsoft")」などという言い回しがよく聞かれてました。
ところが、昨年の春、SunとMicrosoftはJava関連の訴訟の和解、クロスライセンス等々で協力関係を強めていくことになったので、状況は大きく変わってしまいました。
今、SunがMicrosoftを仮想敵国として使うのは、おそらくオープン・ソースの優位性を語るときに、クローズドなソフトウェアの代表としてWindowsを挙げる場合くらいでしょう(さすがに、Sunにとっての超重要パートナーであるOracleをオープンソースの敵としてダシに使うわけにはいかないでしょうから)。

で、ちょっと前にMcnealy氏のスピーチを聞いたときには、"people vs IBM Global Service"という表現を頻繁に使ったのでちょっとびっくりしてしまいました。
特に最近になり、Sunはサービス・プロバイダー・モデル(ユーティリティ・モデルと言った方がわかりやすいでしょうか)を強力に推進しています。
ユーザーが個別に独自システムを作るのではなく、サービス・プロバイダーが提供する標準的なコンピューティング・サービスを使うようにしましょうということです(そして、Sunはサービス・プロバイダーに対してサーバを売ることで収益を上げるということです)。
こういうパラダイムシフトが起きてるのは確かだと思いますが、それを普通に「ユーティリティ・コンピューティングの普及」と言わないで、「人民対IBMグローバルサービス」と言ってしまうのがSun流(というかMcnealy流)なんですよねー。
確かに、IBM Global Serviceは「ユーザーが個別に独自システムを作る」ことのお手伝いが主要な事業なのですが、もちろんユーティリティ・コンピューティング的なこともやってるわけなので、IGSを仮想敵国にするというのは必ずしも正確とは言えないのですが、やはりSunはとにかくインパクト優先ということでしょう。

投稿者 kurikiyo : 22:35 | コメント (0)

2005年03月22日

書評『カーマーカー特許とソフトウェア―数学は特許になるか』の続き

ちょっと間があいてしまいましたが、前回のエントリーの続きです。

この本はソフトウェア特許の本というよりも、線形計画法の入門、カーマーカー特許の解説、カーマーカー特許成立に至るまでの顛末、そもそもアルゴリズムを特許化すべきか、アルゴリズムの保護に、特許以外の適切なスキームがあるのか、等々の内容が広範に述べられてます。
やや雑然とした感はありますが、内容自体は非常に読みやすくおもしろいです。
楽しい小ネタが多いのもこの本の特徴で、数学者とエンジニアの思考の違いを説明しているくだりで、あるエンジニアが数学者の人に研究のアイデアを説明したときに「もう少しわかりやすく抽象的に説明してくれ」と言われたという逸話などが紹介されています。

ただ、やはり前回のエントリーのコメントにも書きましたが、今野先生、ちょっと論理の飛躍が見られるところがあります。
たとえば、ソフトウェアを特許の対象とすべきでない理由のひとつとして、裁判所や特許庁ではアルゴリズムの内容を理解できないと言う点が挙げられています。
確かにそういう問題があるのは確かですが、だからソフトウェアは特許の対象とすべきでないというのは論理の飛躍であって、裁判所が適切な判断を下せるよう、専門家の諮問機関を設ける等の運用の仕組みの改善も考えるべきでしょう(以前のコメントにもありましたが、裁判官が内容を深く理解できない裁判は意味なしということであれば、医療裁判もできなくなってしまいます)。

ところで、この本が書かれた1995年から、現在までの間で知的財産権に関する最も大きな動きはオープンソースソフトウェアの普及でしょう。
そういう点から言うと非常に興味深い事例がこの本で挙げられています。
AT&Tはカーマーカー特許を使った線形計画のソフトウェアを890万ドルという法外な価格で売り出したそうです(しかも、専用ハードでないと動かないと言うとんでもないしろもの)。
一方、アカデミアの研究者たちのコミュニティは知恵を出し合って、カーマーカー特許を回避したソフトウェアを安価に提供して普及させることに成功。結局、AT&Tのソフトウェアはほとんど売れなかったそうです。

要するに、特許を盾に他者に情報を提供しないクローズドな戦略が、自由にノウハウを交換するオープンなコミュニティの開発戦略に負けたと言うことであって、これはオープンソース開発のパラダイムの有効性が証明されているひとつの例と言えるでしょう。
IBMの特許寄贈の動きのように、特許を一企業の独占の手段からコミュニティの共有財産とする動きは今後とも増えてくるのではないでしょうか。

今野先生は昨年に日経バイトにも寄稿されており、Web上でも見れます(有料会員向け記事ですが、お試し期間として無料で読むことが可能です)。
今野先生のポジションはこの本を書いたときから基本的に変わっておらず、ソフトウェア特許反対の最強硬論者のひとりのオピニオンとして読むに値する記事だと思います(エンジニアがこの種の問題に表立って発言しないのは問題との先生の意見にはまったくもって賛成です)。
とは言え、これらの記事でも、ソフトウェア特許は新規性がないものが多い→ソフトウェアは特許の対象とすべきでないというロジックがあって、やはり飛躍があると思いました。

松下-ジャストの時でも書きましたが、ソフトウェア特許反対者のポジションとしては、
1.特定のソフトウェア特許がおかしい
2.今のソフトウェア特許の運用がおかしい
3.そもそもソフトウェアを特許の対象とすることがおかしい
に大きく分けられると思うのですが、どうも、今野先生のポジションは1と2の問題点を主張して、その改善策を十分に提示せずに、いきなり3を結論付けているように思えるのです。

投稿者 kurikiyo : 14:15 | コメント (1)

2005年03月19日

書評『カーマーカー特許とソフトウェア―数学は特許になるか』

今まで読もう読もうと思っていて読めなかった本をやっと読むことができました。
理財工学(いわゆる金融工学)の第一人者であり、ソフトウェア特許反対論者である今野浩中大教授が1995年に書かれた中公新書の『カーマーカー特許とソフトウェア―数学は特許になるか』という本です。

なぜ、今まで読めなかったのかというと、弁理士試験勉強中はあまり立法論にかかわる本は読むべきではないと忠告を受けていたということ(当然ながら、弁理士試験は今の制度内でどうすべきかを問う試験であり、そもそも制度はかくあるべきという立法論を下手に勉強していると、論文や面接で自説を主張して心象を悪くするリスクが大きいらしいです)と、そもそもこの本がすでに絶版になっていたからです。

amazonで古本を買うこともできるのですが、定価の3倍以上の値段がついているので(といっても2000円くらいですけどね)買うのを躊躇していました。
ところが、会社の近くの区立図書館にこの本があることがわかり、早速借りてみたということです。
#最近の図書館は、ネットで蔵書も検索できますし、予約もできます。
#同じ区内であれば、別の図書館の蔵書を、近所の図書館に回してもらうようネットで指定することもできます。
#使わない手はないですよ。

前提として説明しておくと、カーマーカー特許というのは、AT&Tが出願した線形計画法の高速アルゴリズムの特許です。
純然たるアルゴリズムですから、これを特許化するのは数学を特許化するようなものであると多くの識者が反対したわけですが、米国のプロパテント(特許権者重視)政策の流れの中で特許化されてしまい、日本でもいったんは拒絶されたものの、結局(おそらくは政治的要因により)特許化されてしまったといういわくつきの特許です。

結論から言うと大変面白かったです。絶版になっているのが不思議なくらいです(タイトルにアルゴリズム特許ないしソフトウェア特許とでも入っていればもう少し注目を浴びていたと思うのですが)。
今野先生の本は、他に金融工学の入門書(『金融工学の挑戦』)を読んだことがありますが、こちらも大変ためになるわかりやすい本でした。

ただカーマーカー特許は、ソフトウェア特許というよりもアルゴリズム特許なので、特許化しない合理性についてもそれほど疑いがないように思えます。とは言え、今日のソフトウェア特許を考える上でも重要なヒントがあると思います。

ちょっと長くなったので、続きは別エントリーにします。

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投稿者 kurikiyo : 00:24 | コメント (2)

2005年03月18日

GPLライセンシーの義務がわかってない人がまだいるみたい

前の前のエントリーにも書きましたが、GPLの本質をまだわかってない人は結構多いのではと思います(特にベンダーの製品計画部門の人々など)。

「Motorolaなど13社にLinuxライセンス違反の疑い――GPLの「闘士」が指摘」という記事で、Linuxをネットワーク機器等で使用しているにもかかわらず、ソースコードを公開していない企業が多いという点が指摘されています。
#前々回のエントリーで触れた「Linuxカーネルの機能拡張をROMに焼いてこれはソフトではなく、
#ハードなので公開の義務はないとこじつける」のはやはり無理があるということのようです。

記事中で紹介されている、こういうGPL規約違反の告発を行っているプログラマーのHarald Welte氏の発言にGPLに関する誤解の根が集約されていると思います。

>究極の目標は、GPLがパブリックドメインでなく著作権ライセンスだという認識を高めていくことだ。

そうなんですよね。GPL=パブリックドメイン、つまり、Linuxのコードは(何の義務もなく)再利用して良いと何となく思っている(ないし、わかっていても義務を無視する)人が多いのが問題だと思います。

ところで、ちょっと上の引用文わかりにくいかと思いますが、こういうことです。
Linux等GPLベースのソフトの著作権は放棄されているわけではありません、しっかり著作権で保護されています。
一般に、著作権による保護というのはどういうことかというと、他人に使わせるか使わせないかを著作権者(ここでは、Linux開発者のコミュニティ)がコントロールできるということです。
普通の(非オープンソースの)ソフトウェアであれば、金を払えば使ってもOK、そうでなければ使ってはダメというコントロールがされてるわけですが、GPLの場合は、(拡張部分も含めて)ソースコードを開示すれば使ってOK、そうでなければダメということです(かなりかいつまんで説明しました)。

#今回の話も、知ってる人は知ってるという内容と思いますが、
よくわかってない人がたまにいる(特に、会社でのポジションが上の人)ので、注意喚起的に書きました。
#別にこのblogの読者の人がわかってないと主張して言うわけではないですから「自分はわかってるよ」
#という主旨のコメントをいただいても有効な議論にはならないと思いますのでよろしくお願いします。

投稿者 kurikiyo : 10:48 | コメント (0)

2005年03月16日

IBMのアセンシャルソフト買収

IBMがデータインテグレーション・ソフトウェア・ベンダーのアセンシャル・ソフトウェアを買収したという記事

アセンシャル・ソフトウェアという会社を知らない人も多いと思いますが、2001年にインフォミックス社がRDBMSビジネスをIBMに売却した時の残った方の会社です。
結局、4年かけて、インフォミック社の資産はすべてIBMの物になったということになりますね。

で、このデータ・インテグレーション・ソフトウェアとは、データウェアハウスを構築したりする時に社内のいろいろなシステムからデータを集めてきて統合するためのツールです。
あんまりたいした話ではないかと思うかもしれませんが、大企業において、数百ものシステムから何10テラバイトにも及ぶデータを集めて統合するというのは、ものすごく大変なプロジェクト(ある意味アプリケーション本体を作るよりも大変)なんです。
そういうことで、データ・インテグレーション・ソフトウェア市場の先行きもかなり明るかった(今のソフトウェア市場では稀有)のですが、やはりIBMは目ざといと言えましょう。

製品自体のできはよいですし、IBMはかなり積極的にサポートしてくれると思うので、あまり心配はないと思いますが、ひとつ懸念があるとすれば、この手のシステム統合製品は異機種混合(ヘテロジニアス)環境をサポートできる点に強みがあるということで、あまりIBM色が強く出てしまって、DB2の補助ソフトみたいになってしまうとかえって価値が減少してしまうという点でしょう。
過去におけるLotusの例のように、うまくブランドの独立性を管理できることを期待します。

投稿者 kurikiyo : 22:38 | コメント (0)

2005年03月13日

オープンソース(GPL)は都合のいいことばかりではないよ

#今回のエントリーはオープンソース系にちょっとでも詳しい方は何を今更の内容とは思いますが、念のため書いておきます。

「Red Hatクローン、相次いで襲来か?」という記事。

一般的にソフトウェアの世界で「クローン」というと、インターフェースや機能を他製品と一緒にした別製品のことを指しますが(Outlookクローン等々)、ここでいうクローンとは中身もそのまんまコピーということです。
オープンソース(GPL)の世界ではこれは合法なわけです。

GPLのライセンスでは、大きく言うと以下の3つが規定されています。
1.自由な再配布を認める(有料でも無料でも良い)
2.ソースコードを公開する
3.プログラムを拡張・変更したときはそのプログラムもGPLにしなければならない(要するに、自由な再配布を認めて、ソースコードを公開しなければならない)

この3の条件こそが、ビジネスの世界でGPLが使いにくいとされている最大の理由です。

RedHatは上場企業ですから、利益を上げて株主に還元しなければならないわけですが、自社が有料で売ったソフトを他者がコピーしてより安価に(ないし無料で)配布しても文句は言えないわけですね。

LinuxディストリビューターのIPOが続いたころ、株式市場は「第二のMicrosoftか」という期待の元にとんでもない株価をつけたわけですが、今ではピークの10分の1以下の株価になっています(これは当然で、ディストリビューターのビジネスモデルは(ユーザーを囲い込む)ソフトウェア・ベンダーのビジネスモデルではなく、サポート・ベンダーのビジネスモデルであるからです)。

最近は、Linuxをよりミッション・クリティカルな領域にも適用しようとする動きが盛んで、次世代メインフレームをLinuxでなんて話もありますが、そうなってくるとベンダーにとっては、Linuxに対して自社のミッション・クリティカルなシステムのノウハウを生かした機能強化を行うと、そのノウハウを一般に公開することになってしまうというジレンマが生じるわけです。
この点について某ベンダーの人と話したことがありますが「機能拡張部分をROMに焼いてハードウェアだということにしてしまったらどうか?」と言われたことがあります。
うーむ。違法とはいえないまでも、限りなく脱法行為に近いような気がしますが、どうなんでしょうか?

投稿者 kurikiyo : 13:06 | コメント (4)

2005年03月12日

Itaniumの生きる道?

Itaniumについてちょっと前に書きました(記事1記事2記事3記事4(要無料ユーザー登録))。
結論としては、アーキテクチャ的には優れているがマーケット的にはちょっと厳しいだろうというもの。
(ただし、最近のマルチコア、マルチスレッドのトレンドを見ていると無理して命令セットレベルの並列性を追及してもあまり意味がなかったのかという気もします(そういう意味では参照記事の中身も既に古くなってしまったかも)。)

Itaniumの最大の誤算は言うまでもないですが、X86とのバイナリ互換性が実質上ないに等しいことでしょう。
AMDのOpteronの市場圧力にも負けて、IntelがEM64Tを出してしまったこと、要するにまったく新しいアーキテクチャを出さなくても既存X86の64ビット拡張でそんなに問題ないということをIntel自身が表明してしまったことも、Itaniumの市場での将来性に疑問を投げかける結果となっているのは改めて説明するまでもないでしょう。
IBMが実質的にItaniumサーバから撤退してしまったこと(関連記事)も逆風です。

もちろん、HPのハイエンド・サーバにおけるPA-RISC後継のチップとしてはItaniumは有望です。
そういう意味では、Itanium≒PA-RISCⅡみたいなポジションになってしまったと言えるかもしれません。

ただ、Itainiumの優位性としてもうひとつ忘れてならないのは、他プロセッサーのエミュレーションがやりやすいという点です。
やはり、汎用レジスタ数が多い(128個)というのは有利です(汎用レジスタの多いマシンで汎用レジスタの少ないマシンをエミュレーションするのはその逆の場合と比較してかなり楽です。)

たとえば、NECは、自社のハイエンドメインフレームのプロセッサをItaniumに置き換えてます(関連記事)。
カーネル部分はItanium向けに書き換えで、ユーザーコードはエミュレーションで動かすという、昔MacがCISC(68000)からRISC(PowerPC)に移行した時と同様な実装らしいですが、メインフレームのネイティブ・プロセッサの場合と遜色ない性能を出せているようです。

そんな中で、ちょっと注目なのが、米ベンチャーPlatform Solutions社の製品。
Itaniumベースのサーバで、IBMのメインフレームハード環境を完全エミュレーションする(IBM製のOSやミドルウェアを稼動する)というものです。
現在ではIBMメインフレームの互換機市場は存在しない(米国互換機メーカーは撤退、富士通・日立の製品ははIBM系ではあるけれどIBM互換ではない、NECはIBM系ですらない)のですが、思わぬところから伏兵が出てきたという感じです。
互換製品がないとユーザーとしてはベンダーとの価格交渉上著しく不利になりますので、米国のメインフレーム・ユーザーにとっては朗報かもしれません。
サポートの問題等はあるかもしれませが、日本でも販売されるとおもしろそうですけどね。

投稿者 kurikiyo : 23:25 | コメント (0)

2005年03月10日

【雑談】経営者には自己批判精神が必要

ソニーの経営陣交代の時に、出井元会長が自己の評価について「間違ったことはしてない。環境が厳しかっただけだ」(ちょっとうろ覚え)というような内容のことを話したのにかなりの違和感を持ちました。
明らかに結果が出てないのに「間違ったことはしてない」はないだろうということです。
「ものづくり精神が弱くなったのは私の責任。後任経営陣にこの問題を解決して欲しい。私も応援は惜しまない。」くらいのことを言ってくれれば、高評価だったのですが。

「自分たちは良い製品を出しているのに、売れないのは客が悪い」というのに等しいことを言う経営者がたまにいますが、責任ある立場の人の発言としては一番言ってはいけないことですよね。

それで思い出したのが、サンのスコット・マクニーリの記者会見における「過去のサンの失敗」というスライド。以下のような項目がリストされてました。
386i
Java Station
Open Look
Diba Set Top Box
Cobalt
Java Ring (Java Man)
Sun Write/Paint/Draw
Net Dynamics

記者会見で自社の過去の失敗をリストにして公開できる経営者がどれだけいるでしょうか?

もちろん、自己批判するだけではダメで、それを将来の改善策に結び付けていけなければならないのは当然ですけど、まだまだサンには期待できるのではと思った瞬間でした。

投稿者 kurikiyo : 17:57 | コメント (0)

2005年03月09日

【雑談】Cellプロセッサの先行きは?

今回は、ほとんど他人の受け売りなので雑談モードです。

ソニーの役員交代に関して、多くの人が気になるところがCellプロセッサの先行きだと思います。
何かエントリーを書こうといろいろ考えてましたが、後藤弘茂さんが既に中身の濃い記事を書かれてしまっているのであまり付け加えることはなくなってしまいました。

記事を要約すると、1.Cellプロセッサはテクノロジーとしては健全、2.ソニーはCellへの投資を続けるしかない(やめるには遅すぎ)、3.重要なのはエコシステムという感じでしょうか?

やはり気になるのが3.のエコシステムの構築と言うところで、ソニーが伝統的に苦手としてきた領域ですね。
如何に他社にCellを使ってもらえるようなビジネスモデルを作り出すかが、Cellの成功を決めると言ってよいでしょう(後藤さんによれば、「ソニー社内が最初の敵」ということで、それ以前にソニー社内の他部門に使ってもらうことが最初の関門であろうということですが)。

あくまで仮定の話ではありますが、一応、CellのコアのひとつはPPC互換ということで次世代(次々世代)Macでの採用ということにでもなれば面白そうな気がします(あるblogエントリーでの分析によれば、SIMDの実装が違うので難しそうだということですが、何となくそういう問題はソフトウェア上でどうにでもなりそうな気がしますが、どんなもんなんでしょうか?)

投稿者 kurikiyo : 00:10 | コメント (2)

2005年03月08日

ソニーの敗因について考える

ソニーの役員交代とその原因になった業績不振については既に数多くの場所で議論されてますので、今さらと言う気もしますが、
1.エンターテイメント事業とエレクトロニクス事業のシナジーが出せてない
2.自社独自仕様偏重(エコシステム軽視)
3.液晶、DVDレコーダー等のホット・テクノロジーへの投資遅れ
4.製品の品質(信頼性等)の問題を解決できてない
5.ユーザーのニーズを反映した製品開発ができてない
6.一部役員の発言に見られる傲慢さ
7.問題山積みなのに、なまじっかブランド価値はある(ように思っている)ため危機意識が低い

等々が問題の根であるのは言うまでもないことでしょう。

こうしてみると、1993年に累積赤字80億ドルと言う記録的赤字を出したIBM絶不調の時にすごく似ていると思いました(ソニーは大赤字というほどではないので、IBMよりはだいぶマシですが)。
一度大成功した企業が自らを変える力を失い、イエスマンの集合になっていき、顧客重視、イノベーション重視の精神を失っていき、結果的に業績を悪化させていくと言う典型的パターンと言えそうです(英語の言い回しで言うと"victim of its own success"(自らの成功の犠牲者)ということです)。

そう考えてみると、ガースナーによるIBMの再生はソニー再生のヒントにもなるかもしれません。
ガースナーがしたことを大きくまとめてみると、
1.徹底した顧客指向(「作ったものを売り込む」モデルから「顧客の欲しがるものを作る」モデルへ)
2.IBM分割を阻止(スケールメリットは重視)
3.オープン標準、デファクト標準の尊重(自社製品にこだわらない)
4.メインフレームの投資強化(顧客に価値を提供できている場合には自社ハードにこだわる)
5.サービスを含む全方位的ソリューションの提供、ただし、シナジー効果がでない事業は自社ではやらない
6.徹底したコストカット(特に、重複していたR&Dや製造開発の統合)
7.トップダウン主義(抵抗勢力は追放)

こんな感じでしょうか?
ひとつの典型的例は、OS/2に実質上引導を渡し、NT重視戦略をとったことでしょう。
顧客が求めているOSはNTであり、IBMはNTのサポートに徹したほうが顧客に与える価値は大きいと判断したからだそうです。

まあ、ここで書いたような話は、当然ソニー経営陣は百も承知だと思います。
自分としては昔の輝きあるソニーに戻って欲しいものだと願っています。

ただひとつソニーの特殊事情としては、コンテンツ提供会社とコンテンツ・デリバリー手段の提供会社が一緒になって意味があるのかという議論があります。
ちょっと状況は違いますが、Time WarnerとAOLの合併が必ずしもうまくいかなかったということもありますし。

たとえば、ITの世界での垂直統合モデルの例であるIBMは、インフラ系に関してはプロセッサから、サーバから、サービスまで垂直統合指向であるにもかかわらず、アプリケーション・パッケージ市場には進出してません。
中途半端にアプリケーション・パッケージを自社で販売すれば、SAPやOracle等の重要パートナー(IBMにとってみれば顧客)のビジネスと競合することになり、これらのパートナーは他社インフラに流れてしまいます。
「顧客と競合しない」これは重要なポイントです。
アプリケーション=コンテンツ、AV機器=インフラと考えれば、ソニーにおいても同じことが言えないでしょうか。

あともうひとつ企業カルチャーの問題もあると思ってます。
自分もほんのちょっとだけ経験がありますが、コンテンツ系企業のカルチャーはメーカーのカルチャーとは明らかに異なります。
一般に、M&Aが成功するか否かのポイントが最終的には企業カルチャーの問題に帰結することも多いようです。
映画会社とエレクトロニクスメーカーがひとつの企業グループにあることで、シナジーによるメリットよりもカルチャークラッシュによるデメリットの方が大きいのではという点は十分議論の対象になると思います。

投稿者 kurikiyo : 09:36 | コメント (0)

2005年03月07日

RFID、ICカード、無線タグ等々の用語をしっかり区別しましょう

ちょっと書くのが遅くなってしまいましたが、3月3日(木)、有明ビッグサイトで開催されていた「IC Card World」に行ってきました。
お目当てはは「ICタグのセキュリティとプライバシーを議論する」というパネル。
しっかりとした問題意識の元にセキュリティ関連のリサーチをしているということでは日本の第一人者と言える高木浩光さん(左の「お気に入りblog」にもリストしてます)も出席されることから、これはどうしても押さえておかなければと思ってました。

このパネルの中でもイッシューとして上がってたんですが、今、RFID(無線識別)関係テクノロジーの用語は結構混乱してますよね。
RFIDと言った時にICタグのことを指すときもあれば、(非接触型)ICカードのことを指すこともあります。
実際、このパネルも”IC Card World"の一プログラムでありながら、ICタグの話をしてますし

ここで整理してみると、
RFID(無線識別): 無線でID情報のやり取りを行うテクノロジーの総称(ICタグ、ICカード以外にも、飛行機の機体認識システムなんかもRFIDに含まれるようです)。
RFIDタグ、無線タグ、ICタグ、スマートタグ: RFIDテクノロジーを物品につけるタグに応用したもの。
(非接触型)ICカード、スマートカード、RFIDカード: RFIDテクノロジーを人が持ち運ぶカードに応用したもの。

ICタグとICカードは無線でID情報のやり取りをするという点では同じなんですが、結構本質的な違いがあります。
ICタグは多くの物につけて使う以上コストをできるだけ下げる必要があります(METI主導の響プロジェクトでは5円のタグを目指してます)。
一方、ICカードの方は200円くらいのコストでも許容範囲なので、その分、セキュリティに力を入れることができます。
いわゆるチャレンジ-レスポンスという仕組みで、サーバ側からあるコード(チャレンジ)を送って、ICカード側で計算を行ってレスポンスを返して、サーバ側があらかじめ想定しておいた答えと一致すればICカードが正当なものであると認識するわけです。
重要なのはチャレンジは毎回異なりますから、仮に、サーバとICカードのやり取りを盗聴されていても問題はないということです。
一方、ICタグの方にはこういう仕組みはないわけです(少なくとも今のところはコスト的に無理)。

ところが、ICタグとICカードの用語の混同をひとつの理由として、本来、物につけてつかうべき、ICタグ技術を人の識別に使おうという考え方(たとえば、子供にICタグを付けて位置管理する等々)が出てきて、これはめちゃくちゃ危険であるというのが高木さんの主張です。
確かに、1回でも無線でのやり取りを傍受されてしまえば簡単になりすましが可能になってしまいますね。
これは、高木さんのおっしゃるとおりで、問題は単なる用語の混乱というもの以上になっていると思います。

新しいテクノロジーが出てくると、用語が微妙に混乱して、結果的により大きな問題が生じてくるというのはよくある話で、RFIDにおいてもタグ系の話とカード系の話は言葉としても応用としてもしっかりわけて考えることが重要でしょう。

投稿者 kurikiyo : 15:57 | コメント (2)

2005年03月02日

特許の新規性に関する誤解

発明が特許査定されることの重要な要件として新規性というものがあります。
既に世の中で知られていたり、実施されてる発明に特許権を付与してはならないのは当たり前ですね。

ここでよく勘違いされがちなのが発明者自身が出願前に実施したり公開してしまった場合にも新規性のルールは適用され特許は無効・拒絶になると言うことです。
なので、特許を出願したいと考えている方は、決して出願前にアイデアを公の場で実行したり人に話したりしてはいけません(弁理士には守秘義務があるので、弁理士さんと相談するのはOKです。また、自分で試験のために実施した場合等は新規性喪失について一定の救済措置があります。)

何でこんな話を急に言い出したかというと、、、
いつも行ってるカレー屋に「えびめし」(えび入りカレーチャーハンみたいな料理)というメニューがあるのですが、店内のビラに「製法特許取得済」と書いてあるのですね。
特許を取得してないものに対して特許の表示をすると虚偽表示の罪により最悪懲役刑を課されてしまう(特許法198条)ので、おせっかいながら本当に特許取得済かどうか調べてみました。
そうすると本当に特許登録されているようです。
たぶん、特許番号2894982号の「調味用ソースおよびこれを用いたピラフ」という特許発明です(請求項に「海老」という文字列がある特許はすごく少ないのですぐ調べられました)。

それはそれで良いのですが、店内の別のビラには「昭和30年創業変わらない味」と書いてあります。
もしこれも本当だとすると「えびめし」の製法特許はとっくの昔に新規性喪失してることになります。
最近レシピを変えてそのタイミングで特許出願したのかもしれないですが。
#いずれにせよ「えびめし」特許の無効審判を請求しても自分には何の得にもなりませんから、ほっておきますが。

さらにさらに思い出した話が、以前のエントリーにも書いたJALの搭乗券予約に関するビジネスモデル特許について調べた時に見た記事「日航が全日空を特許侵害で訴えた本当の理由は・・・」

JALの特許出願前にJASは似たような搭乗券予約システムを実施していたそうです。
さらに、(JALとJASの合併により)「JASの予約システムが廃止になったために、特許侵害訴訟で争ったとき、先使用の例がなくなったので、ANAの抗弁ができにくくなり安心して侵害訴訟をできる環境になったのではないか」と知財専門の助教授の推測が書かれており、この記事の著者であるジャーナリストの人も「これは卓越した推測である」と分析しています。

あれれ、もしJASが実施していた予約システムとJALが出願した予約システムが同等なものであれば、JALとJASが企業としてひとつになろうが、JASが予約システムを廃止しようが、一度公然実施してしまったのですから、JALの特許が無効になるのは同じのはずですよ。
専門家の人でもこんな勘違いをしてしまうんだなと思いました。
#もし、JASの実施を理由として無効審判が請求された時に、今やJASはJALと一体なので自社に不利な証拠を出さなくなる(のでJALが有利になる)ということであればまだわかりますが、ちょっと元記事の文章からはそうは読み取れないですね。

投稿者 kurikiyo : 09:51 | コメント (9)

2005年03月01日

【雑談】中小企業保護のためにもソフトウェア特許は必要では

右のお気に入りリンクにもあるパテントサロンからリンクされている毎日新聞の記事「現場から2005 大企業との特許紛争」

大企業にノウハウを盗用されてしまいがちな中小企業の現状を書いた記事で、知財戦略の重要性を訴えています。
この記事の内容は製造業に関するものですが、同じことはソフトウェア特許にも当てはまると思います。
前のエントリーとの繰り返しになりますが、やはり中小企業が大企業と対等に戦えるための武器としてもソフトウェア特許は必要だというのが私のポジションです(もちろん、トンデモ発明が特許化されることがない運用上の十分な注意がなされることが前提です)。

投稿者 kurikiyo : 23:46 | コメント (2)

そろそろホットになってきたか:BAM

以前、ここで告知したイベントの受講者アンケートの結果が返ってきました。
昨年度を上回る集客でイベントとしては大成功でした。
もし、このblogを見て、このイベントに来たいただいた方がいらっしゃったら是非メール下さい。

さて、アンケート結果を見て、ちょっと意外だったのはBAM(ビジネス・アクティビティ・モニタリング)に対する注目度がかなり高かったということです。
BAMというのは簡単に言ってしまうといろいろなアプリケーションから発生するイベントを分析して、重要な情報があった時にリアルタイムでアラートを上げてくれるシステムのことです。
従来、情報システムをトランザクション処理(OLTP)系と意思決定支援系に分けるのが普通だったと思いますが、BAMは両者の間のギャップを埋めてくれるシステムです。
OLTP系の分析処理を強化したものと言ってもよいですし、意思決定支援系のリアルタイム性を強化したものと考えてもよいでしょう。

コンセプト的には昔からある話ですが、やっと世の中の機が熟してきたということでしょうか。

BAMの話に限らず、「コンセプト的には決して新しくないが、世の中が追いついてきて今まさにメインストリームになりつつある」段階にあるテクノロジーがビジネスチャンスとしては一番大きいと言えるでしょう。
自戒もこめてなんですが、あまりにエンジニア的な視点だけで市場を見て、世の中の先を行き過ぎて失敗するパターンだけは避けたいですよね。

投稿者 kurikiyo : 12:27 | コメント (0)