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2005年02月09日
ジャスト対松下:総括にはまだ早いけれど
なんかここんところ、ジャスト-松下の話ばっかり書いてますね。>自分
この件については、ちょっとネタも尽きてきたので、また調査・勉強して少し時間をおいた後に書こうと思います。
いずれにせよ、以前のエントリーにも書いたように、これ以降もオープンソースがらみ、マイクロソフトがらみでいろいろと知財関係のごたごたは続くと思います。
#そういえば、2005年の重要トレンド(5)として「知財がらみの係争多発」と書くつもりだったのですが、
#ちょうどそのタイミングでこの事件が勃発してしまったので、後付けで予測するように見えるのも何なので書くのをやめてしまったのでした。
今後起こる知財関係のごたごたの多くは産業全体の発展とは無縁なものとなるでしょう。
明らかに、機械や電気関係の発明を保護するために長年発展してきた特許の仕組みでソフトウェア(さらには、ビジネスモデル)を保護することに無理が出てきたということだと思います。
ちょっと前のエントリーにトラックバックをいただいた江島健太郎さんのblogでは、
>「ソフトウェア特許に肯定的な技術者に優秀なやつは一人もいない」
>「ソフトウェア特許は産業発展にとって百害あって一利なし」
とまで書かれています。
こういう考え方を取る方がいるのは理解できるのですが、やはりソフトウェアを使った新しいアイデアを創造したした人を何らかの形で保護する仕組みは必要だと思います。
そうでなければ、せっかく斬新なアイデアでベンチャー企業を立ち上げて、成功させてもすぐ大手企業に真似されてつぶされるという事態になってしまいます。
ソフトウェアが特許で保護されていることで、創造性さえあれば資金が少ない小企業がIBMやマイクロソフトと同じ土俵で勝負することができるシステムができているわけです。
私は、ソフトウェアを特許法で保護すること自体が問題というよりも、その運用が問題であると考えています。
今までのエントリーでも書いてますが、以下のようにするだけでも全然違うのではないかと思います。
1.進歩性の敷居を高くする
(特に、ユーザーインターフェースのように共通化することでより大きな価値が生まれるものは相当革新的なアイデアでなければ特許しない)
2.特許権を完全な独占排他権とするのではなく、必要に応じて特許を強制的に適切な料金でライセンスさせる仕組みを作る
(実は、これは現行特許法でも規定されている制度ですがほとんど活用されていないらしいです。)
3.ITの世界のスピードに合わせて保護期間を10年くらいにする
(これは、重要だと思いますが、現実的には条約の縛りがあるので難しいでしょうね)
4.特許権を悪用する企業に対して独占禁止法により特許権を剥奪する
(これも、規定はあるのですが活用されていないようです。)
いずれにせよ、ソフトウェア特許に対して反対する場合には、
1.ソフトウェア特許という概念そのものがまずい
2.ソフトウェア特許を現行の特許法で扱うことがまずい
3.現行の特許法によるソフトウェア特許の運用がまずい
のいずれの立場なのかを明確にすることが必要でしょう。
(江島さんは1.、私は2.と3.の間くらいの立場でしょうか?)
#追加(05-02-10)
4.現行のソフトウェア特許の運用は全体的にはまあOKだけど、この松下特許が無効にならないのはおかしい
という立場の方もいるかもしれませんね。
投稿者 kurikiyo : 2005年02月09日 22:19
コメント
私は企業知財部勤務弁理士なのですが、どうしても、現行法の否定、というのはなかなか発想としては思い浮かびません。
その辺りが業界にいる人間の限界なのかもしれませんが。
ソフトウェア特許だけ特別視するのもどうかと思いますので、運用で何とかすべきなのでは、と思います。
というよりか、潰せる特許なら潰せばいいし、そうでなければ、そりゃしょうがないでしょう、という感じの方が強いですね。
カーマーカー特許潰しに苦労された大学の先生の話(裁判官は技術が分からない云々)もわからないではないですが、それを言い出したら技術が絡む通常の民事、刑事裁判(例えば、医療裁判とか)全てが裁判所に係属できなくなりますし。
なかなか、悩ましいところです。
投稿者 無名人 : 2005年02月10日 09:02
> いずれにせよ、ソフトウェア特許に対して反対する場合には、
> 1.ソフトウェア特許という概念そのものがまずい
> 2.ソフトウェア特許を現行の特許法で扱うことがまずい
> 3.現行の特許法によるソフトウェア特許の運用がまずい
> のいずれの立場なのかを明確にすることが必要でしょう。
>(江島さんは1.、私は2.と3.の間くらいの立場でしょうか?)
ゼロ番、「制度として特許そのものが表現の自由を侵食し有害である」を追加してください・・・。
まあ、鎖国でもしないと実現は無理でしょうけど(w
投稿者 hogehoge : 2005年02月10日 19:07
>>無名人さん
メーカーの知財部で実務やっている方であれば、そう感じるのではないかと思っていました。
私もえらそうなこと書いてますが、知財の実務経験はありませんので、今後とも実務者の方のご意見も積極的に寄せていただければと思います。
>>hogehogeさん
もし、特許制度がなくなったら、松下のような大企業はどんどん他人のアイデアを盗んで事業化してますます大変なことになってしまいますよ。^_^;
最近、特許の悪い面だけが強調される報道が続いてますが、運用さえ正しければ特許制度は産業の発達に貢献しえるのは確かだと思います。
投稿者 栗原 潔 : 2005年02月11日 20:12
> もし、特許制度がなくなったら、松下のような大企業はどんどん他人のアイデアを盗んで事業化してますます大変なことになってしまいますよ。^_^;
大企業ほど脳味噌の数とアンテナの数が多いのですから、それは理にかなった行為だと思えます。
小企業は大企業製品の応用や地域密着サービス、レスポンスタイムの短縮等の付加価値や、
企業秘密で対抗すべきでしょう。
独占禁止法強化、不公正取引への罰則強化で乗り切れないでしょうか?
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特許を認めるとしたらそうですね、「特許の専有を提案する者はコモンズが使える回避方法or
代替案を同時に提出すること。これが無い場合は確実に独占を産むとして却下する。」
「強制ライセンス」の逆で、「強制コモンズ」なんて案が酔った頭から出てきました。
# 知の領域で近道にトラップかけて封鎖するなら封鎖範囲と回り道を明示しろと。
どんなに革新的な出願であっても、強制コモンズとして併記する技術は
「出願技術に非効率になる落とし穴を足せば成立する」から出願する
頭脳をもってすれば難しい障壁ではないでしょう。
投稿者 hogehoge : 2005年02月11日 23:57
私は昔から成分特許というものが好きになれませんでした。
有用な科学物質や薬を開発したらその権利を全て独占させるというものです。ソフトウエア特許やアルゴリズム特許にも似たものを感じます。
それで私は製法特許しか認めないという考え方が好きです。
ソフトウエア特許に関しても同様な考え方を導入して、実装方法が違えば同様の機能を実現していても問題ないとするとよいと考えます。
それなら著作権による保護とあまり変わらなくなる可能性もありますが、影響の及ぶ範囲を上手く設定できれば有用な方法に成り得ると考えます。
投稿者 半日庵 : 2005年02月17日 22:29
発明とは「技術的思想の創作」と定義されてます。要するに、人間が頭で作り出したアイデアということであって、単なる事実の発見や自然界の法則は特許の対象とならないとされています(当然です)。
そう考えると、成分特許もアルゴリズム特許も微妙ですよね。
結局ここ数年来のプロパテント主義(特許権者を優遇する政策)による弊害が明らかになってきたということだと思います。
投稿者 栗原 潔 : 2005年02月18日 03:21