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2005年01月26日

エコシステムの逸話

昨日の話で「エコシステム」という考え方が出てきたので、この機会にこういうお話を。

IT業界に身を置く人ならエコシステム、つまり、自然界の生態系のように競合他社と時には協力し、時には競合する共生関係を築くことこそが市場を大きくし、結果的に多くの人をハッピーにするということは敢えて説明するまでもないと思います。

ところが、依然として「ビジネスとは戦争のようなものであり、相手を徹底的に叩き潰すことが目的だ」という前近代的な考え方を持っている人もいるようで、そういう人たちにエコシステムの重要性を納得させるためのたとえとして以下のお話しはどうでしょうか?
(大昔にTVで見た実話をベースにしています。)

ある地方都市の駅前商店街は客が減少して、さびれる一方でした。
商店主たちは危機感を持っていました。
そこに、大型スーパーが駅前に進出してくるという話が持ち上がりました。
「今でさえ厳しいのに大型スーパーなんか進出してきたら客を全部とられてしまう」
と商店主たちは徹底した反対運動をしたので、スーパーは駅前への出店をあきらめ、
郊外の街道沿いに駐車場付きの大型店舗を建てました。
住民たちは駐車場のない駅前よりも街道沿いの店舗で買い物をする方が便利であることに気づき、
買い物は車で全部街道沿いで済ませるようになり駅前商店街はますますさびれることになりました。
「こんなことならスーパーを駅前に誘致しておけばよかった。」と商店街の人は嘆きましたが、時既に遅しでした。

スーパーに駐車場を作ってもらい駅前商店街の客も使えるようにする、大量生産の安売り品はスーパーで売り、特徴ある商品は商店街で売る等々、いくらでもエコシステムを作る手段はあったのに、その可能性を自らつぶして失敗してしまった例ですね。

デジタルテクノロジーから生まれた新しい競合に対して、この商店主たちのように顧客無視で既得権を主張するだけの対応をとって失敗していくケース、これから先、結構出てくるのではないかと思います。

投稿者 kurikiyo : 2005年01月26日 19:38

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