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2005年01月25日

TV録画サービスは著作権の侵害?

ちょっと前の話ですが、ビデオサーバを使ってマンション住民にTVの録画サービスを提供していた会社を
TV局が訴えたという事件です。

わが国の著作権法では私的複製という行為が認められてます。個人的、家庭内等の使用では他人の著作物を許可なく複製、録音、録画をしても良いという規定です(著作権法30条)。
著作権者しか複製・録音・録画ができませんというのが著作権法の基本ですが、これをあまりにも厳密にすると、TV番組をビデオに録画したり、自分のCDをiPodにリッピングすることもできないことになってあんまりなので、例外的に認められた規定です。

このケースの場合は、マンション業者がマンション住民が録画予約したTV番組を観れるように共用のビデオ・サーバを用意したというのが、30条の規定の範囲外である(ゆえに、TV局の著作権の侵害だ)ということで、訴えたということのようです。

マンション住民は自分が録画予約した番組しか観れないわけですから、それぞれがHDDレコーダを買って録画してるのとどこが違うんだという意見は当然出てくるでしょう。

しかし、TV局側は30条の規定振りでは、この形態はカバーされないと言っているわけです。
マンション住民全員にサービスを提供している以上個人的・家庭内という範囲を越えてるというのもありますが、たぶん、ひっかかったのは30条の規定振りで「その使用をする者が複製することができる」となっている点でしょう。
つまり、観る人本人が録画をしなければ駄目ということです。

そういえば、去年の春にライブドアが手持ちのCD等をMP3にエンコードしてくれるサービスを始めたのに、開始後1ヶ月くらいで終了してしまったことがあったと思いますが、これも同じ理由です。
手持ちのCDを自分でMP3に落とすのがOKなのに、業者に頼んで同じことをやってもらって何が悪いのというのが通常の感覚だと思いますが、著作権法30条を文言どおりに解釈すればこういう結果になってしまうのはしょうがないでしょう。

何か理不尽なものを感じるのは私だけではないでしょう。情報がどんどんデジタル化される現代、アナログ時代に決められた現行著作権法にほころびが生じてくるのは当然なんですが、そのほころびを運用で縫い合わせる時に、既得権者の権利を守ることが優先されて、権利関係のバランスを取るという考え方がわが国には薄いような気がします。

asahi.comのネット最前線(ASAHIパソコンニュース)の記事「ユーザー置き去りの著作権攻防戦」にこのあたりの問題点がうまくまとめられています。
一読をオススメします。

特に、
>...世界で最も厳しい規制を最も早く取り入れ、摘発も最も厳しい国の1つと
>言える。そのような日本だからこそ、先進的なサービスも世界で最も早く
>始まる――というのなら理解しやすい。だが現実は逆だ。

というくだりはまさにその通りとい言わざるを得ません。

米国ではオンラインミュージック市場が完全に立ち上がり、結果的に、レコード会社も、アーティストも、機器メーカも、消費者も潤うエコシステムができつつあるのに、日本ではレコード会社が(およびJASRACが)自社の権利を主張しすぎるがためにいつまでたっても市場が立ち上がらない(その結果として、
音楽市場全体がジリ貧)という状況になっているのはこういうバランス感覚欠如エコシステム軽視の考え方が根にあるとしか思えません。

投稿者 kurikiyo : 2005年01月25日 23:20

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