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2004年12月09日

インクの詰め替えはカートリッジの生産?

プリンタのインクカートリッジの再生品の販売が特許権の侵害であるとして、
キヤノンがリサイクル商品の会社を訴えていた件の判決がでました(参考記事)。

ご存知のようにプリンタのインクカートリッジの商売は利益率が高く、メーカー
にとってはおいしい商売です。一方、ユーザーにとっては、カートリッジは高い
買い物ですし、だいたいインクがなくなってもカートリッジはまだ使えるのに、
カートリッジごと取り替えるのはもったないですよね(環境にも優しくないですし)。

ということで、使用済みのカートリッジにインクを注入した再生品を安く売る会社
が当然ながらあります。メーカーとしては、これはおいしいビジネスの
障害になりますから、当然やめさせたいですね。ところが、一般に、いったん
物を他人に売ってしまえば、その物を改造しようが、転売しようがどうするかは
その他人の勝手で、売った人がどうこう言うことはできないのは当然です。

そこで、キヤノンはインクカートリッジに特許権があることを利用して、
カートリッジにインクを注入することは、カートリッジの生産行為にあたる
ので特許権の侵害であるというロジックを持ち出してきたわけです。
特許権とは他者の特許発明の実施を差し止めできる権利ですが、特許
発明の実施にはその発明品の生産も含まれるからです。

屁理屈のように見えますが、一応根拠はあって、それは、使用済みの
「写るんです」にフィルムを再充填して再利用可能にすることが、カメラの
生産行為にあたり、特許権の侵害であると認められた判例です。
原告側の弁護士としては当然使うロジックでしょう。

なぜ、今回は同じロジックが認められなかったかは、まだ判決文を読んで
ないので確実ではないですが、「写るんです」の場合は、フィルムの再充填
行為がケースの分解等の作業を伴なうのに対し、インクの注入は、カートリッジ
自体は破壊しないことから、さすがに生産(再生産)とは言えないという
ことだと思います。

プリンタメーカ側にとっては残念な結果でしたが、環境的観点からも、公正な
ビジネスという観点からも適切な判決ではと思います。
もちろん、メーカー側としては、インクを再注入した場合は、保守サービスを提供
しない(再生カートリッジの使用は自己責任)とすることで、一定の抑止力とする
ことはできるでしょう。
ユーザーとしては純正カートリッジを安くしてくれるのが一番うれしいですけどね。

投稿者 kurikiyo : 2004年12月09日 17:25

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