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2004年12月25日

"software as a service"という言葉の意味

いったん理解してしまえばそうでもないのですが、
ある技術用語を理解する過程において障害となる要因のひとつに
ひとつの言葉が複数の意味を持つことがあるでしょう。
いわゆるオーバーローディングという問題です。
「オブジェクト」とか「アーキテクチャ」はその最たるものでしょうが、
「サービス」という言葉もあまりに多くの意味を持ちすぎていると思います。

保守、開発、サポート等々の「労務の提供」という意味のサービスは自明
でしょう(日本語のサービスには「無料」というニュアンスが入りがちなの
がちょっとやっかいですが)。

これ以外には、SOA(サービス指向アーキテクチャ)やWebサービスにおける
サービスが重要キーワードになってます。この場合の「サービス」とは、
中粒度のソフトウェア部品と考えればわかりやすいでしょう。Webサービスの
概念が中々浸透しなかったひとつの理由にサービスという言葉のニュアンス
が伝わりにくいということがあったと思います。XML-RPCとかグローバル
コンポーネントとでも呼ぶべきだったと考えています(この辺については昔から
書いてます)。

そしてさらにもうひとつのサービスの意味としてASP(アプリケーション・サービス
プロバイダ)におけるものがあります。この場合は、アプリケーションそのものを提供
するのでなく、その機能を(多くの場合従量制料金で)提供するというニュアンスが
あります。

ややこしいのは、"software as a service"(サービスとしてのソフトウェア)と言った
時に、2番目の意味の場合と3番目の意味の場合があるということです。要するに、
ソフトウェアを一枚岩で作るのではなく、部品の組み合わせてとして作りましょうという
考え方、と、ソフトウェアのバイナリをユーザーに売ってユーザー自身のインフラで
稼動するのではなく、プロバイダのインフラで稼動するソフトウェアの機能を利用する
ようにしましょうという関連はしてますが、独立した2つの考え方を表しているという
ことです。

さらにさらにややこしいのは、ASPにおいてもアプリケーション全体の機能だけ
ではなく、ソフトウェア部品単位で提供するという動きが大きくなっていることが
あります。

この辺を誤解したまま議論しているといつまでたっても話が収束しないという
ことはよくある話なので、"software as a service"という言い回しは結構注意
して使った方がよいと思います。

3番目のサービス(ASPにおけるサービス)の意味を明確化する場合には、
サブスクリプション・モデルと言った方が誤解が少ないかもしれませんね。

投稿者 kurikiyo : 23:17 | コメント (0)

2004年12月16日

ベリタス買収の影響は?

IBMのPC事業売却と来て、オラクルのピープルソフト買収と来たら、
次はシマンテックによるベリタスの買収です。

前2者は予測の範囲内ではありましたが、ベリタスの件は想定外
でした。確かに買うに値する魅力があるソフトウェアベンダーの
ひとつであることは確かでした。

ウィルス駆除ソフトのベンダーがストレージ管理ソフトのベンダーを
買うというのはちょっと意外に思えるかもしれませんが、両者とも
ほぼすべての企業が必要としている機能を提供しており、かつ、
プラットフォームへの非依存性を売りとしている点に共通点が
あります。

もし、ベリタスをEMCが買っていたり、サーバ・ベンダーが買っていたり
したら、業界のパワーバランスへの影響はかなり大きく、また、
結果としてベリタス社の良さが出せなくなっていたのではと思います。

ひとつ気になる点は、この発表の直前に、HP-UXにベリタスのクラスタ
機能を取り込むことでベリタス社との提携を発表していたHPですが、
大きな影響はないと見てよいでしょう(SunやEMCが買っていれば
大変なことになっていたかもしれませんが。)

ところで、なぜ、HP-UXがコンパックとの合併後のロードマップにあった
Tru64クラスタとの統合をあきらめたかということですが、Tru64の主要
技術者がオラクルに流出し、リアル・アプリケーション・クラスタ(RAC)
の開発に回されたからという説があります。RACがTru64由来のテク
ノロジーを使っているのは周知ですので、信憑性が高い話と思っています。

投稿者 kurikiyo : 22:32 | コメント (0)

2004年12月12日

無線タグとアプリケーションアーキテクチャ

今、ITの世界で最大の"Next Big Thing"と言えば、やはり無線タグ
(RFID)でしょう。

当然、自分も無線タグ系のサイトは巡回リストに加えて、コンスタントに
ウォッチしています。

この種の新しい動きがある時に典型的に見られる現象ですが、多くの
人が各論だけを語っていて、なかなかビッグ・ピクチャーで語る人が
少ないという風に見えます。

無線タグに関して言うと、タグやリーダー等の要素技術や特定の閉じた
環境でのアプリケーションについての情報は豊富にあるのですが、
このテクノロジーをグローバルなサプライチェーンに取り込んで行くためには
何をしなければいけないかという議論は非常に少ないと思います。

少なくとも無線タグの普及がエンタープライズ・アプリケーション
アーキテクチャに大きな影響を与えていくのは確実でしょう。

今までのアプリケーションのように、「さあ、これから出荷データを入力
しますよ」とメニューを選択してから、データを入力するという構造は
無線タグに適していません。無線タグの場合は、いつ何時でもイベント
(たとえば、出庫)が発生し得るからです。

つまり、アプリケーションの構造も、固定的なメニューに基づくものではなく、
いつ何時でも発生しえるイベントを処理できるものとならなければなりません。
いわゆるEDA(イベント・ドリブン・アーキテクチャ)、CEP(コンプレックス・イベント
プロセッシング)という概念が必要になってきます。

これは口で言うほど簡単なことではありません。たとえば、荷物がある倉庫から
出庫されて、一定時間以内に別の倉庫に移されたならば、これは倉庫間の移動
というイベントとして処理すべきです。ところが、一定時間内に別の倉庫に入った
というイベントが発生しない場合は、これは出荷されたのかもしれませんし、
ひょっとすると盗まれたのかもしれません。または、労働者が、フォークリフトを
ほっぽらかしにして昼飯を食べに行ったのかもしれません。

この辺の複雑な判断をアプリケーションとしてどうするかは大きな課題と言える
でしょう。

無線タグの真の価値を得るためには、エンタープライズ・アプリケーション
アーキテクチャの全面的な見直しが、(今すぐにではないにせよ)いつかは
必要となると考えています。

無線タグのテクノロジーで先行者利益を得たいという企業(ユーザー、ベンダー問わず)
今からアプリケーション・アーキテクチャに注目しておくべきでしょう。

投稿者 kurikiyo : 12:31 | コメント (0)

2004年12月09日

インクの詰め替えはカートリッジの生産?

プリンタのインクカートリッジの再生品の販売が特許権の侵害であるとして、
キヤノンがリサイクル商品の会社を訴えていた件の判決がでました(参考記事)。

ご存知のようにプリンタのインクカートリッジの商売は利益率が高く、メーカー
にとってはおいしい商売です。一方、ユーザーにとっては、カートリッジは高い
買い物ですし、だいたいインクがなくなってもカートリッジはまだ使えるのに、
カートリッジごと取り替えるのはもったないですよね(環境にも優しくないですし)。

ということで、使用済みのカートリッジにインクを注入した再生品を安く売る会社
が当然ながらあります。メーカーとしては、これはおいしいビジネスの
障害になりますから、当然やめさせたいですね。ところが、一般に、いったん
物を他人に売ってしまえば、その物を改造しようが、転売しようがどうするかは
その他人の勝手で、売った人がどうこう言うことはできないのは当然です。

そこで、キヤノンはインクカートリッジに特許権があることを利用して、
カートリッジにインクを注入することは、カートリッジの生産行為にあたる
ので特許権の侵害であるというロジックを持ち出してきたわけです。
特許権とは他者の特許発明の実施を差し止めできる権利ですが、特許
発明の実施にはその発明品の生産も含まれるからです。

屁理屈のように見えますが、一応根拠はあって、それは、使用済みの
「写るんです」にフィルムを再充填して再利用可能にすることが、カメラの
生産行為にあたり、特許権の侵害であると認められた判例です。
原告側の弁護士としては当然使うロジックでしょう。

なぜ、今回は同じロジックが認められなかったかは、まだ判決文を読んで
ないので確実ではないですが、「写るんです」の場合は、フィルムの再充填
行為がケースの分解等の作業を伴なうのに対し、インクの注入は、カートリッジ
自体は破壊しないことから、さすがに生産(再生産)とは言えないという
ことだと思います。

プリンタメーカ側にとっては残念な結果でしたが、環境的観点からも、公正な
ビジネスという観点からも適切な判決ではと思います。
もちろん、メーカー側としては、インクを再注入した場合は、保守サービスを提供
しない(再生カートリッジの使用は自己責任)とすることで、一定の抑止力とする
ことはできるでしょう。
ユーザーとしては純正カートリッジを安くしてくれるのが一番うれしいですけどね。

投稿者 kurikiyo : 17:25 | コメント (0)

2004年12月08日

IBMのPC事業売却は当たり前のこと

もう既に一般のニュースでも大きな話題になっているですが、
IT業界をある程度知っている人なら別にびっくりする話でもないでしょう。

市場が成熟化して差別化がしにくくなれば、プレーヤーの数が減って
行くのは当然のことです(家電にしろ、自動車にしろそういう流れです)。

また、IBMの事業ポートフォリオを見ると、利益はソフトウェア事業で稼いで、
成長はサービス事業で稼ぐという構図がはっきりしています。
サーバは利益率も成長性もまあまあなんですが、ソフトとサービスビジネス
への副次的効果が大きいので無視できません。
で、お荷物はPC事業と一部のテクノロジーOEMビジネスで、HDD事業も
実質的に日立に売却してしまいましたので、PC事業のスピンオフも
時間の問題だったということです。

業界アナリストとして見てひとつ意外だった点は、ThinkPadビジネスも一緒に
スピンオフしてしまったということ。ノートブックに関しては、IBMの差別化要素は
かなり大きかったと思うのですが。詳しい事情は知りませんが(もし知っていたら
業務上の守秘義務があるのでこんなところには書けませんが)、デスクトップPC
事業だけの売却では買ってくれるところがなかったのかもしれませんね。
西武球団のようなもので、ネームバリューだけはありますが、採算性は最悪
ですから。

2ちゃんねるのシニカルな人々は、「バブル末期に日本人がロックフェラー
センター等の米国の資産を買って(買わされて)、結局安値で手放すパターン
では?」と言っていますが、結構はずれていないかもしれないですね。

個人的にはThinkPadのクオリティを今と同じ高いままで維持してくれることが
最大の希望です。(自分は、トラックポイントしか使えんのですよ。)

投稿者 kurikiyo : 23:36 | コメント (0)

2004年12月07日

発明/出願/特許発明 違いがわかりますか?

昨日触れた記事の読者コメントにも書いてある話ですが、
発明、出願、特許という言葉がごっちゃになってる人多いのではないでしょうか?
たまに、新聞・雑誌記事でもよくわかってないのではと思えることもあります。

発明とは「自然法則を利用した技術的思想の創作」、もっと簡単に言えば
「技術的なアイデアです」。つまり、発明するとは、アイデアを思いつくこと。

ドクター中松が、3000件を越える発明をして、エジソンを抜いたと言って
ますけど、これは単に3000個のアイデアを思いついたというだけの話で
す。エジソンに勝ってるかどうかはわかりませんが、証明のしようがない
ことではありますね。

出願とは発明を明細書に記載して特許庁に提出することです。
形式的に書類がそろっていて、手数料を払えば出願は受理されますので、
出願の中にはかなり「とんでも系」のものもあります。

余談ですが、「特許」と「分類不能」をキーワードでgoogleサーチすると、
とんでも出願を見ることができます(かなり笑えます。たとえばここ)。

なお、出願しただけでは、ほとんど何の権利もないといって良い状態です。

特許発明とは特許庁の審査を受けて、正式に特許登録された発明
のことを言います。この段階になって初めて、他者に差止請求したり、
損害賠償請求する権利が発生することになります。
だいたい出願してから特許登録になるには5年くらいかかります(もっと、遅い
場合も早い場合もある。)

出願から特許登録になる間は、他人は勝手に実施できるのかというそんな
ことはなく、一定条件下で溯って補償金とを請求できることになってます。
なので、「特許出願済み」という表示は、「この特許はいずれ特許登録される
可能性があってそうなると勝手に実施していた人は金払わなければいけま
せんよ」という警告(法律的に正式な警告ではないですが)としての意味を
持つことになります。とは言え、前述のように、全く特許性がないアイデア
でも、出願はできてしまいますから、「特許出願済み」だから他者は実施
できないかというとそんなことはなく、完全にケースバイケースです。

以上、かなりはしょって説明しましたが、たとえ知財関係の仕事をしている
人でなくても、これらの用語はちゃんと区別して使った方がよいと思います。

投稿者 kurikiyo : 23:34 | コメント (0)

2004年12月06日

孫正義のIP電話特許

『BBフォンの「NTTう回」機能,孫社長による特許出願が判明』
という日経コミュニケーションの記事がITProに出てました。

特許電子図書館のサイトでこの特許出願の内容が無料で見れます。
直リンクは貼れないようなので、
1)トップページで「特許・実用新案公報DB」のリンクをクリック
2)文献種別にA(特許公報)、文献番号に2004-289486、PDF表示を選択して、
文献番号照会をクリックする
と問題の特許出願の中身を見ることができます。

興味深いのは、発明者が孫さん自身になっていること。
(PDF最終ページに移動するとわかります。しかしこのサイトひどいUIですね。)
冒頭の記事の書き方だと孫さん自身が出願したかのように見えますが、
これは間違いで出願人はソフトバンクBB。

日本の特許法では発明者と出願人は別であっても良いことになって
います(特に、職務発明の場合は発明者が会社に特許を受ける権利を
譲渡して、会社が出願する(特許登録されると会社が特許権者になる)
のが普通。例の青色発光ダイオードの時もちょっと問題になった話です。)
この記者の人は、たぶんこの辺が理解できてなかったのかも。

記事中にも書いてあるように、特許出願をしただけでは実質的に何の権利
も生じません。特許庁の特許査定を受けて設定登録されたものだけが、
他者に対して権利行使できる特許発明となるわけです。

設定登録後に特許発明を無効にすることもできるんですが、お金も
時間もかかるので大変です。競合他社にとって一番望ましいのは、
最初から特許査定されないようにすることです。

そのために、こんな発明は新規性も進歩性もなくて特許査定に値しない
と思う人は誰でも特許庁に対して情報提供できるようになっています
情報提供制度)。

自分は通信系はあまり強くなくてよくわかりませんが、なんとなく、
この特許出願、新規性がない(出願日前にあった技術と実質同じ)
のように思えるのですけどね。

通信系専門の方、特許庁への情報提供にチャレンジしてみてはいかが
でしょうか(もちろん、文書(論文、雑誌記事、製品マニュアル等)による
証拠は必要ですが)。


投稿者 kurikiyo : 22:30 | コメント (0)

2004年12月05日

IT投資本もうひとつご紹介

昨日紹介した『インタンジブル・アセット―「IT投資と生産性」相関の原理』と一緒に買う
人が多いとamazon.co.jpがマイニングしてくれた本が
『ITポートフォリオ戦略論―最適なIT投資がビジネス価値を高める』
実は、この本の共著者の一人であるマリアン・ブロードベント女史はガートナーの
EXP(CIO向けプログラム)のディレクターをやっていた人です。
(現在は、ガートナーを退職し、非常勤としてEXPに貢献)
そういうこともあってこの本の原書は(マリアンの許可をもらって)自分の仕事に
ずいぶん引用させてもらいました。
この本が出た1998年頃は、IT投資に関する定量的なデータは特に貴重でした。

『インタンジブル・アセット』と同様、実際の企業調査をベースにIT投資を
定量的・統計的に論じているのが特徴ですが、もうひとつユニークな点は、
IT投資を1)インフラ系、2)トランザクション系、3)分析系、4)戦略系に分けて、
それぞれの領域の投資効果と適切な投資配分、要するにポートフォリオ管理を
論じている点です。

ちょっと残念な点としては、
1.妙に冗長で同じことを何回も書いたりしている(複数の論文を組み合わせて書いた
のでしょうか)
2.統計データの詳細がなく、いきなり結果が出ているので、統計的有意性の検証の
しようがない
3.6年前の本なので、ちょっとデータが古い
という点ですが、今読んでもなかなか面白い本だと思います
(例によって原書しか読んでないので翻訳の質についてはコメントできませんが)。

投稿者 kurikiyo : 00:30 | コメント (0)

2004年12月04日

"IT Doesn't Matter"再考

ちょっと前ですが、"IT Doesn't Matter"(ITは重要ではない)という
言葉が注目を浴びたことがありました(その頃書いたコラム)。

この言葉の元となったHarvard Business Reviewの記事では、
「ITに多大な投資をしても破産する企業がある、一方ITに投資をしなく
ても成功できる企業がある。だからIT投資はビジネスには関係ない。」
という少数のデータポイントで一般的結論を導き出すというずいぶんと非科学的な
主張がありました。

こういうことを言う人に対するカウンタークレームとしては、私も話した先のセミナー
で基調講演をしたエリック・ブリニョルフソンMIT教授論文をお勧めします。

1000社以上の米国企業を調査し、1.ITへの投資、2.デジタル組織度という2つ
の変数と企業価値との相関を統計的に分析しています。デジタル組織度とは、
業務の電子化、現場への権限委譲、情報共有等々、要するに、情報を生かした
企業経営ができているかという要素です。

統計的分析からわかったことは、上記の2つの変数が両方とも高い企業が最も
高い企業価値を有するセグメントに属しているということです。ITは重要である
("IT Does Matter")しかし、それだけでは必要条件であって充分条件ではない。
ITを生かした経営ができて初めてITはその真の価値を発揮できるということです。

言われてしまえば当たり前ですが、こういう事実が定量的かつ統計的に有意に
証明されていることがこの論文の最大の価値でしょう。

この論文を含むブリニョルフソン教授のIT投資効果に関する論文の翻訳が
『インタンジブル・アセット―「IT投資と生産性」相関の原理』
としてダイヤモンド社から刊行されていますので、
英語の論文はちょっと厳しいという方はこちらをどうぞ。
(元の論文は読んでますが、翻訳は読んでないので翻訳のクオリティに
ついてはコメントできませんが)。

投稿者 kurikiyo : 10:53 | コメント (0)

講演内容が日経コンピュータに掲載

日経コンピュータ11月29日号の218ページに11月2日にやった
セミナーの中身が広告企画としてちょっと掲載されてます。

1時間の講演を1ページでサマリしてるんですが、確かに言ったとおり
のことは書かれてるんですが、単に前ぶりで言った話が厚く書いて
あったりして、何かちょっと印象が違う感じ。この記事は、講演を
聴いたライターの人が書いているのでどうしても違和感が出てしまい
ますね。自分で書いてしまった方が早いんですけど、まあ、そういう
わけにもいかないですし。

ところで、この記事のネタの「自律コンピューティング」、3年ほど前から
話してますが、やっと注目が高まってきたようです。今のITの世界の
話題は、サービス系やユビキタス系が中心となっていますけど、まだ
まだインフラ系でも関心が高い分野はあるということです。

投稿者 kurikiyo : 10:38 | コメント (0)

2004年12月03日

グリッドの用語混乱はちょっとはましになったか

新しい概念が世の中に出てきた当初におこる現象のひとつに
用語の混乱があります。

特に、「グリッド」という言葉の混乱状態は著しいものがあります。

元々の「グリッド」の定義(アカデミアにおける定義)は、「複数の
組織をまたがって単一の問題を解決するための、コンピューティング
資源共用基盤」というようなものだったと思いますが、オラクルが
Oracle 10gにおいて、従来はRAC(リアルアプリケーションクラスタ)
と呼んでいたテクノロジーを「グリッド」と呼び始めたため、
「並列処理をしてれば何でもグリッドかい」という状況になってしまいました。
いわゆる希釈化(ダイリューション)という現象ですね。

で、サンもSolarisのコンテナ機能(1台のサーバをソフト的に分割し、
複数のOSを稼動する機能、要するにVM(バーチャルマシン))を、
N1 Grid Containerと呼んでいました。

「コンテナはいわば"Grid in a Box"だ」というのがその理由だったと思いますが、
「ちょっといくらなんでも無理があるのでは」と思っていました。

が、結局、Solaris 10の発表と同時に、Solaris Containerという真っ当なな名前
に変更したようです。

とは言え、グリッドに関する用語の混乱はまだまだ続きそうです。
グリッドについて議論する時はまず最初に「ここで『グリッド』はこういう意味で
使っています」と定義をしてから議論することをお勧めします。そうしないと
いつまでたっても議論が収束しないリスクがあるでしょう。

投稿者 kurikiyo : 09:59 | コメント (0)