« セマンティックウェブはどうなんだろう? | メイン | なぜ当たり前のアイデアが特許になってしまうのか? »
2004年11月22日
マイクロソフト+特許戦略=?
マイクロソフトの特許戦略強化路線について、いろいろなメディアで報道されています。
オープンソースソフトウェアのムーブメントにより、同社が今まで築いてきた自社独自
ソフトウェアによる囲い込み戦略の根底が揺らいでいることから、一企業として見れば、
これは当然の戦略でしょう。
しかし、IT業界全体として適切なパワーバランスが維持できるのかという点から見ると
ちょっと不安が残ります。
何故ならば、現行の特許制度は権利者側に圧倒的有利なものになっているからです。
ソフトウェアの著作権に基づいた攻撃であれば、コードを書き換えれば解決できます。
また、そのソフトウェアは独自に開発したものであり、模倣ではないこと(一致している
部分があっても偶然の一致であること)を証明すれば足ります(PCの互換BIOS開発
などではこういうやり方がされています)。
ところが、特許は表現(ソフトウェアで言えばコード自体)ではなく、抽象的なアイデア
を保護するものなので、コードを書き換えても基本的な構成やアルゴリズムが同じ
であれば、特許侵害を回避できません。また、模倣ではない偶然の一致であると
言っても通りません。客観的に一致していれば、ほぼ自動的に侵害となります。
特許はかように強力な権利なので、ある程度保護期間を短くしてバランスを取って
いるのですが、この期間は日米共に20年です(著作権は原則50年)。
機械とか化学の世界はどうかわかりませんが、ITの世界で20年と言うと
ドッグイヤー換算で140年。つまり、特許権者に対してほぼ永遠に強力な
権利を与えてしまうことになるわけです。
このような強力な武器を強力かつ攻撃的な企業であるマイクロソフトがフルに活用
しだすとどうなるか?これは、IT業界アナリストとしては要注目です。
知財に関しては勉強中(勉強のついでに弁理士試験まで合格してしまいました)
ですが、いろいろ書いていく予定です。残念ながら特許の実務経験はないので、
実務と合致していないことを書く可能性はありますが、その際は是非是非建設的な
コメントをよろしくお願いします。
投稿者 kurikiyo : 2004年11月22日 23:28