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2004年11月29日

ソニーの垂直統合モデルは正しかったのか?

パラマウント・ピクチャーズ、ユニバーサル・ピクチャーズ、ワーナーブラザーズ
ニューラインシネマの大手4社が、HD DVD、つまり、東芝側の規格の採用を
表明しました(参照)。

要するに、ソニー、松下という二強がサポートするBlueRay Discが一気に
不利な状況になってしまったということです。

この決定にはソニーがSony Picture Entertaimentおよび(間もなく)MGM
という映画会社を傘下に有していることの影響が大きいと言えるでしょう。
映画会社の立場から言えばライバルの親企業の規格よりも、自社と競合
しない東芝の規格の方が採用しやすかったということでしょう。

元々は、ソニーが映画会社を買収したのは、「ハードウェアのビジネスだけ
ではダメで、コンテンツも抑えなければ」というベータで学んだ手痛い教訓
から来た戦略だったわけですが、それが完全に裏目に出てしまったことに
なります。

HDベースの携帯音楽プレーヤー市場でソニーがアップルiPodに完全に出し
抜かれてしまったのもこの構図に似ています。ソニーは、なまじっかレコード
会社を擁しているがために、著作権保護の観点からなかなか音楽ダウンロード
ビジネスに踏み切れず、また、他のレコード会社との協業も困難だったわけ
ですが、そんなしがらみのないアップルは複数のレコード会社と組んで、
iTMSを早期に立ち上げることができ、iPodのビジネスでも成功できたたわけ
です。

ソニーの出井会長はしばしば垂直統合の重要性を説いていたと思いますが、
完全な水平分業モデルが非現実的なのと同様に、垂直統合をやり過ぎるの
もかえって問題ではと思います。

ITの世界で垂直統合と言えばIBMを思い出しますが、IBMは何でもかんでも
自社でやろうとしているわけではありません。たとえば、エンタープライズ・
アプリケーション・パッケージ販売のビジネスには全くタッチしていません。
これによりSAP等のベンダーと良好な関係を築けるわけです。

要は、水平分業と垂直統合のバランスをとって、良いエコシステムを作って
いくことこそが重要ということでしょう。

投稿者 kurikiyo : 2004年11月29日 23:52

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